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 昨年球団ワースト記録のシーズン91敗を喫し、捲土重来を期す西武の宮崎・南郷キャンプで、フレッシュな風を吹き込んでいるのが、新任の仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチだ。現役時代は巨人の正二塁手として長年活躍し、ゴールデングラブ賞を4度受賞。最近は2023年までDeNAの2軍監督を3年間務め、日本シリーズ制覇の基礎づくりを担った。西武には選手としても、コーチとしても在籍したことがなかった。チームが生まれ変わるには、外部から“新しい血”を入れることが必要で、仁志コーチの存在はまさにそれである。

 積極的に選手1人1人と会話をかわし、あの手この手で成長を促そうとしている。たとえば、キャンプ2日目の2月2日。全体練習終了後、室内練習場で柘植世那捕手のティー打撃をスマホで何度も動画撮影し、それを見せながら、あれこれディスカッションしていた。やがて、ティースタンドを縦に3本並べて真ん中にボールを1個置き、3本全ての先端をかすめるようにバットの軌道を修正し始めた。引き出しの多いアイデアマンだ。

 新任の仁志コーチの目に、ライオンズというチームの特質はどう映っているのか。「そうですね、いろいろありますね。昔ながらの古き良き伝統がたくさんある。対照的に僕が一昨年までいたDeNAは、何でも最先端をやろうとする球団でした。どちらがいいとも悪いとも思いませんが、選手が求めるものには応えたいですし、手を入れられる部分はあると思っています」。穏やかで淡々とした中に深い思慮をうかがわせる語り口は、現役時代と変わらない。

 実に多彩な野球人生を歩んできた。茨城・常総学院高で1年時からレギュラーを張り、夏の甲子園に3年連続出場。早大で主将を務め、社会人野球の名門・日本生命でもプレーした。1995年のドラフト2位(逆指名)で巨人入りすると、翌1996年に新人王を獲得。主に強打の「1番・二塁」として巨人で11年活躍した。ここまでは、球界では王道中の王道と言える。その後、移籍した横浜(現DeNA)でも3年間プレーした。

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