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規格外のパワーに加え、今年は広角に本塁打を打つ技術を身に着けたことで、相手バッテリーが抑えるのが難しい強打者に変貌した。岡本、村上の両主砲が故障で長期離脱していることもあり、早くも本塁打王が視野に入っている。阪神で本塁打王を最後に獲得した選手は、2年連続三冠王を獲得した1986年のランディ・バース。日本人打者では84年の掛布雅之までさかのぼる。バース以来の三冠王の獲得も実現可能な目標だ。

■メジャー球団の評価が急上昇

　今オフにもポスティング・システムを利用してメジャーに挑戦する可能性がある村上、岡本が長期離脱して、佐藤に対するメジャーの評価も一気に上がってきた。日本に駐在するメジャーのスカウトは「甲子園を本拠地に40本塁打を打てば、他球団で50本塁打以上の価値がある。個人的には村上より佐藤のほうが身体能力の高さで上だと思います。好不調の波が少なくなり、本塁打を打つコツをつかんだように感じる。今後の活躍が楽しみですね」と期待を込める。

　メジャーリーガーの代理人も「佐藤の市場価値が米国の球団の中で上がっている」と断言する。

「メジャーでは150キロ中盤を常時投げる投手がゴロゴロいる。速い球のコンタクト率が低いとメジャーの世界で活躍するのは厳しい。佐藤の強みは速い球への対応力が高いことです。力負けしないスイングに加え、変化球も下半身の粘りで上体が突っ込まずにバットのヘッドが走って長打を打っている。修正すべきポイントはありますが、メジャーで通用する力を十分に備えています」
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　佐藤は昨オフの契約更改で、ポスティング・システムを使ってのメジャー挑戦の希望を初めて球団に伝えている。

「佐藤はプレーに華があるんですよね。重なる選手がパドレスのフェルナンド・タティスJr.です。走攻守でスケールの大きいプレーが持ち味で21年は本塁打王を獲得していますが、佐藤も体格やプレースタイルが近い。個人的には盗塁をもっと積み重ねられると思います。22年の11盗塁が自己最多ですが、足の速さと走塁技術の高さを見ると20盗塁はクリアできる。村上、岡本に比べてまだまだ粗削りですが、裏を返せば伸びしろが十分にあります」（前出のメジャーリーガー代理人）

　まだ5年目の26歳。メジャー挑戦を公言したときには、「現実味のある話ではない」と厳しい見方が少なくなかったが、今年の覚醒ぶりを見ると決して遠い未来とは言い切れない。アーチを打ち続けた先にチームの優勝があったとき、佐藤が海を渡る道が見えてくるかもしれない。

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