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11月23日の東京ドーム内の取材エリア。国際大会「ラグザス presents第3回プレミア12」の2次リーグ・台湾戦を終えた侍ジャパンの選手、スタッフが次々とホテルへ引き揚げていく。吉見一起投手コーチ(40)が姿を見せたのは一番最後。すでに日付は変わりかけていた。弟子・清水の評価を聞くと、「助けられたというか最高の結果を出してくれた。もう100点満点です」と手放しで称賛の言葉を並べた。

 清水の出番は5回だった。日本が初回に4点を先制しながら、5回に1点差まで詰め寄られてなおも無死満塁。ドーム内に清水の名前がコールされた。2次リーグの最終戦とは言え、日本と台湾はともに24日の決勝戦への進出が決まっている。できるだけ投手を使わず、勝って翌日の決戦を迎えたい―。両チームともそんな思惑を持ちながらの対戦だった。

 試合前から先発が崩れれば清水が登板することは決まっていた。ただ先発・早川の制球を乱しての緊急登板にベンチとブルペンの連絡がワンテンポ遅れた。「2分でいけます」と肩を急造して登板した清水。「ごめんな」と吉見コーチにマウンドで声を掛けられると「大丈夫です」と表情を変えずに応えた。最初の打者への初球は147キロ。まだエンジン全開とはいかなかった。3球目を足元にはじき返されるもノールックで打球を好捕。1―2―3の併殺を完成させて一気に2死とし、最後はフォークで空振り三振に仕留めて無失点で切り抜けた。

 試合直後の囲み取材では「長年の勘で捕れました。完全にまぐれです」と報道陣を笑わせた清水。翌日の試合前に登板事情を含めてあらためて聞くと、「やるしかないので。僕からしたら信頼されているということ。意気に感じて期待に応えたかった」と心境を語った。

 清水にとって吉見コーチは2018年のプロ1年目のオフから自主トレでお世話になった師匠だ。右も左も分からない中で「プロ野球選手は金額で評価される。勝ってなんぼ」と説かれた心構えは今も心に刻まれている。吉見コーチも「プレミアでは普段のシーズンとは違い、初回からブルペンに入るルーティンだったけど対応してくれた。本当に助けられました」と“弟子の恩返し”に感謝の言葉を重ねた。

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