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井上一樹監督(53)が2日、2024年の敵地・甲子園での0勝(1分10敗)という屈辱からの脱却に向け、”大阪のおばちゃんイライラ大作戦”を画策した。指揮官の記憶にはっきり刻まれているのは現役だった2006年8月30日の阪神戦(甲子園)。守護神・藤川球児(現監督)から9回2死で代打同点アーチを放った。守備に就いたときに虎党の中年女性から浴びたヤジは…。快感だった。

 井上監督は2024年の甲子園未勝利に2軍指揮官としてヤキモキしていた。なぜ勝てないのかと考えて、現役時代の記憶もひもといてみる。自らの脳裏に鮮やかによみがえってくる一振りが新指揮官の背中を押した。

 「アウェーで弱い。横浜でも(5勝8敗と)勝率はよくない。地の利を生かされている。点を取りたいけど、取れない。土に弱いのか、屋外のナイター、風、いろいろ考えた。ただ、戦力が落ちるわけではない。意識しすぎなのかなと。黄色一色のファン、あの大歓声の中でホームランを打ったときの約5万人のファンのため息が快感だったんだよね」

 両手に残る感触はいつでも思い出せる。2006年8月30日。代打・井上は追い込まれていた。1点ビハインドの9回2死で打席に入った。”火の玉ストレート”に押されて、1ボール2ストライク。「勝ちを確信したファンは風船を上げていたもん」。6球目。高めの速球をひっぱたいてバックスクリーン右へ同点弾をたたき込んだ。

 そのまま守備に就いたときに聞いた女性ファンの声は今でも耳に残っている。ファウルを追いかけたネット際。「おばはんに『あんなところで打つな! 空気読め!』って言われたのよ。でも、それが快感だった。ため息も快感。スローガンもそうだけど、ポジティブにやってもらおうと思っている」

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