◇渋谷真コラム・龍の背に乗って キャンプ編 ◇8日 春季キャンプ
北谷での全体写真撮影後、紅白戦に出場しない読谷組はバスで移動したのに、1人だけ居残りを命じられた選手がいた。育成ドラフト1位の中村奈一輝(宮崎商)である。183センチの大型遊撃手。1月の自主トレで軽いノックを受ける姿を数球見ただけで、身のこなしとグラブさばきの美しさに見ほれてしまった。
少々のコンディション不良があり、全ての練習に参加はしているが本数や量にはまだ制限がかかっている。だから試合のメンバーには入っていないのだが、落合2軍監督が残れと命じた。向かったのは先輩野手がいるメイン球場ではなく、ブルペンだった。
「せっかくだから1軍投手の球も見せたかったんです」
斎藤、清水、高橋宏。一流の球筋を打席で体感しただけで、かわいい18歳は何度も手汗をぬぐっていた。「僕が見たことのない球ばかりでした」。緊張と仰天。だが、落合2軍監督が中村を居残りさせた目的は「目」だけではない。「それ以上に感じさせたかったのはプロのストライクゾーンです」。この時期は審判もキャンプ地を訪れ、目を慣らす。清水と高橋宏の時は、後ろについて1球、1球判定していた。つまりは「耳」である。
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