◇渋谷真コラム・龍の背に乗って キャンプ編
涌井がシート打撃に投げると聞くと、今年もキャンプ終盤だと知る。涌井にとってその日は、変化球を初めて投げる日でもある。つまりここまでは全球真っすぐ。そんな投手は🐉には皆無。球界を見渡してもほとんどいないと思う。キャンプ初日どころか、1月には変化球を投げ始めるのが常識だ。涌井が変化球を投げないのはベテラン特権で調整が遅いのではない。「若いころからそうでした」し、この春もブルペンに入る回数は若手より多いくらいだ。
「真っすぐを投げるのが一番しんどいし、だからこそ身につく。変化球は投げようと思えば、いつでも投げられる」
それこそ真っすぐこそ誰もがいつでも投げられる球種だが、彼が追い求めているのは単に「投げる」ことではない。試合になれば、最も多く投げる投球の生命線。太く、強くするために愚直に磨きをかける。一方で変化球は違う。
「ブルペンで投げる変化球なんて自己満足でしかない。こちら(自分)からの映像だけじゃ、何もわからない。打者の反応を見て初めてわかるんです」
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