涙腺は緩んだ。「選手の頑張ってる姿がうれしかった」。両手を天に掲げ、新クローザー松山からウイニングボールを受け取る。泣いて、そして笑った。
◆井上監督、初勝利で天に手を合わせる【写真】
感情を制御をできずに流れた涙だった。監督就任してから知人や恩師、関係者からの連絡がひっきりなしにあった。「もちろん、ありがたいという前提だよ」。就任を祝う会は地元鹿児島で、名古屋で、球団公式行事のほかに何度も開かれた。
地元での会は1泊2日。実家に立ち寄ったのも、母校・鹿児島商へ足を運んだのも滞在時間は1時間足らず。キャンプ期間中に宿舎で夕食をとるのも週に1度ほど。外食続きも仕事のひとつ。球団の顔として昼はユニホーム、夜は服装を変えて業務に当たった。
肩書がついて初めて分かる期待と責任と向き合った。「もっと時間があればいいのに」。気付けばやってきた開幕。福永とボスラーを欠いてのスタートを強いられるのは「仕方がない」と割り切った。同時にチームに結束を求めた。
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