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荒療治が功を奏し”鬼門”を突破した。12日の阪神戦(甲子園)で、今季初の1軍昇格となった高橋周平内野手(31)が「6番・三塁」でフル出場し、4回に気迫の二塁打を放った。今季初の4番に座った細川成也外野手(26)は5回に適時打。開幕から全試合で4番を打っていた石川昂弥内野手(23)の出場選手登録を抹消し、心機一転で臨んだ試合に3―2で競り勝った。昨季から続く甲子園での連敗は、1分けを挟む11で止まった。

井上監督が大きくうなずいた。1―0の4回無死一塁。昇格させ、スタメン起用した高橋周が右翼線へ打球をはじき返す。二塁ベースに頭から飛び込んでセーフをもぎとった。次の塁をガッツく姿勢、流れを変えたい意思。何より生活感にあふれていた。チームに求めていたものだった。

 「周平には『新しい風を吹かせてくれ。雰囲気を変えてくれ』と伝えていた。ドラゴンズ一筋でやってきて。『頼むぞ』と言っていた」。指揮官は試合前のやりとりを明かした。

 背番号3にとっては激動の一日だった。昇格を伝えられたのは11日夜。2軍戦で滞在していた広島で朝5時に起き、新幹線で宿舎へ向かう。甲子園は高橋周にとっての今季開幕戦。2回に大山の強烈なゴロを体で止めて一塁へ送球し、アウトにする。4回の二塁打で今季初安打をマークした。

 オープン戦も含めて1軍出場はなかった。2月中旬にノックを受けていた際、グラブに添えた右手人さし指に白球を当てた。膨れ上がり、骨折だと分かった。熱を持ち、ズキズキする指。食事中も水と氷で満たしたジョッキに人さし指を差し込んだ。けが人としての自分と、4番起用の決まっている石川昂。置かれた立場を理解しながら、求められる日が来るのをじっと待った。

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