さながら熱血先生のようだ。竜を率いて1年目の井上一樹監督(53)が、グラウンドで存在感たっぷりにキャラ立ちした姿を印象付けている。
3日に亡くなった巨人元監督、長嶋茂雄さんが今日のプロ野球がファンに注目される礎をつくった功績を挙げ「今まで築き上げてくれたものを引き継ぐ僕らの役目がある。野球界をさらに盛り上げられるように精進したい」と話したが、監督としては就任1年目から独自色を示している。
8日のロッテ戦(バンテリンドーム)では、10日からの楽天3連戦で先発が予想される三浦瑞樹投手(25)をベンチで隣に座らせ、ベテランの松葉貴大投手(34)の登板を見てマウンドさばきや投球術を学ぶよう促した。
三浦は4日のソフトバンク戦で先発。五回途中2本塁打を含む7安打5四球5失点とふがいない内容に終わり、初黒星を喫していた。やり返す機会を与えた上で、先輩の投球を見て学ばせる措置をとった。
...もっと見る4日の試合で三浦は二回に栗原と野村にそれぞれ2ランを浴びて4点を先取され、さらに周東を中前打で出塁させて1死一塁となったところで、井上監督はベンチを出てマウンドの左腕へ歩み寄り、強い口調で叱咤激励した。
「もうちょっと頭で考えな。防げることあるだろ? ソフトバンクの打者、皆気持ちよく振っているやないか」
明らかに相手打者陣に直球を狙い打ちされており、単調な投球をたしなめた。
叱られた後、三浦は三回、四回と無得点に抑える。だが、五回に四球3つを出して招いた1死満塁から栗原に押し出し四球を与えて0-5とされたところでKOとなった。マウンドを降りた際、ベンチを出て交代を告げた井上監督が三浦に付き添って歩き、声をかけながらベンチへ下がった。監督と降板する投手が一緒にベンチに戻っていく場面はかなり珍しく、選手とのコミュニケーションを重視する井上監督のスタイルを象徴するものだった。
「俺がマウンドにカツを入れた後、その後、ゼロ、ゼロと抑えた。『お前さあ、偶然じゃないと思えよ』って。そこでいろんなものを考えたときにハッと思った部分があったなら、それはちょっと反省しないと。『次、じゃあ、お前でいこう』という気にさせてくれ、そうならないとお前が損するぞ、という話をした」
そう説明した井上監督だが、監督ばかり目立っているようではいけない。三浦も、とにかくアツい指揮官の押しの強さに応え、次回もらったチャンスで快投をみせるしかない。
明るいのはええ事やと思うよ
あとはコーチ陣がしっかりと技術指導すればええんや by🐟