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実を結んだ“井上流”コミュニケーション
「負けが込んでしまうとシュンとなってしまう。そして、その雰囲気が流れを作ってしまう」
そう語っていた井上二軍監督が、就任後、最初に着手したのは、チームの“雰囲気改革”だった。
2024年シーズン、二軍では、高卒ルーキーだった福田幸之介(19)をはじめとした若手が汗を流しただけでなく、中島宏之(42)、大野雄大(36)、中田翔(35)など実績のあるベテランも長く調整を続けていた。
様々な年代や状況の選手がいるチームで、井上二軍監督は選手の性格を把握し、場面に応じてアプローチ方法を変え、会話をする機会を作っていたという。
...もっと見る「会話をすることで、今どんな気持ちでやってんのかなとか、今はあんまり触らない方がいいのかなとかいうのを、測りながら接することができる」
選手との直接的なコミュニケーションが、チームの“雰囲気改革”を遂行する鍵となっていた。
さらに、井上二軍監督の“雰囲気改革”を象徴する儀式がある。
それは、試合後の“ご褒美”制度だ。勝利後のミーティングで活躍した選手を指名し、若手・ベテラン問わず“ご褒美”をプレゼントする。
「微々たる額・商品だったとしても、“ご褒美を貰うこと=アピールしましたよ”ということですから」と、選手自身が試合でアピールできたことを自覚させるための環境を、こうした儀式を行うことで整え、勝ちにこだわる意識を浸透させていたのだ。
「勝ちにこだわる意識」浸透に自信
“雰囲気改革”が功を奏し、見事にファームを立て直した井上二軍監督。
その手腕が評価され、昇格人事という形で一軍監督に就任したが、待ち受けるのは結果がすべての世界。
就任会見から2日後、井上監督はすぐに動いた。
2024年10月、ナゴヤ球場で行われた秋季練習初日。フェニックス・リーグ参戦中の若手を除く選手とスタッフを、練習開始前に外野の芝生に集めて座らせた。
「仲間と強いチームを作るっていうことまで意識がまだできていない。そういった意識をまず持て」「明るくて楽しくて、でもそれだけでは勝てない」と喝を入れた。
二軍で浸透させた勝利にこだわる意識を一軍でも浸透させることができるかが、「暗黒期」脱却の大きなポイントになるからこその行動。そして、「俺の方針はだいたいみんなに浸透していると思う」と選手への信頼を口にした。
それもそのはず、2024年シーズン、1年間通して一軍に帯同したのは、細川成也(26)、清水達也(25)、松山晋也(24)のみ。主力として活躍した髙橋宏斗(22)や岡林勇希(22)、福永裕基(28)、村松開人(24)らを含め、ほとんどの選手が二軍を経験していた。
「それぞれみんな接してきた中で、俺の中での“通知表”がある。それをもとに、俺はこれから動かしていくから」
2024年に二軍を率いた井上監督にとって、目指す「理想のチーム」への第一歩である「選手の性格の把握」については、もうすでに自信を感じていたのだろう。
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