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キャリアハイの成績へ

 打撃だけでなく、守備や走塁でも貢献度が高い。6盗塁はリーグ2位タイ。4月1日の巨人戦(バンテリン)では、SNS上で「神走塁」と称された高度な走塁技術で本拠地初勝利をもたらした。同点で迎えた7回無死二塁で村松開人が犠打を試みたが、打球が強く、投手は三塁へ送球。タイミングは完全にアウトだったが、ヘッドスライディングを試みた上林が三塁手のタッチをかいくぐるように右手をとっさに引っ込め、左手でベースに触れた。セーフの判定で巨人はリクエストを要求したが覆ることなく、この好走塁が決勝点につながった。

「短い時間の中での判断でした。バントした瞬間は(打球が)強いなと。サードに投げて来ると思ったので、足から行けば絶対にアウトですけど頭から行けば何かを起こせるなと。グラブがベース前に置いてあるのが見えて、その直線上に(自分の)右手があったので咄嗟に引っ込めて左手でタッチに行った感じです」と語ったプレーに、天才的な野球センスが凝縮されていた。

 ソフトバンク時代から応援しているファンは多い。18年に全143試合出場し、打率.270、22本塁打、62打点をマーク。チームの中心選手として羽ばたくかに見られたが、その後は19年に右手薬指の剥離骨折、21年に右肩甲骨骨折、22年に右アキレス腱断裂と大ケガが続き、一軍での出場機会が減った。23年オフにチームの戦力構想から外れる形で退団。竜に移籍した昨年も右肋間筋損傷で出遅れ、46試合出場で打率.191、1本塁打、3打点と不完全燃焼だった。

 身体能力の高さは誰もが認めるだけに、ケガで戦列を離れることなくシーズンを最後まで駆け抜けられるかが大きなポイントになる。今年でプロ12年目。経験を重ねた29歳はこれから野球人生で脂がのり切る時期に入る。ソフトバンク時代の輝きを取り戻すのではく、竜でキャリアハイの成績を目指す。
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