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「お手本になるリーダーがいない」
若手が育たない。その理由として、武田氏は「お手本の不在」を挙げる。
「レギュラーに定着した岡林勇希(23歳)は、大島洋平(39歳)がいたからお手本にできた。でも内野は? ピッチャーは? お手本になるリーダーがいないんだよ」
武田氏の竜時代は、立浪和義が野手を引っ張り、山崎武司や中村武志のようなベテランもいた。試合に出続けながら後輩に背中を見せる存在がいた。だが今は、若手が誰を目指していいのかがわからない。そういうチームは、自然と“芯”がなくなっていく。
「チームには、内野に一人、外野に一人、ピッチャーに一人、それぞれリーダーが必要。生え抜きで、試合に出続けて、チームをまとめるような存在じゃなくちゃいけない」
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その人材が今のドラゴンズには見当たらない。育成が進まない中で、選手もチームも迷いの中にいるように見える。もうひとつの問題は、チーム得点力のなさだ。
「30本打てる外国人を2人連れてくる」
「30本打てる助っ人外国人を2人連れてくる。そしたら細川成也も中田翔も打つようになる。投手陣は悪くないんだから、ホームラン打てる助っ人がいればAクラスは狙えるよ」
チーム全体でホームランが年間60〜70本程度。これでは、先発が好投しても接戦を落とす試合が続いてしまう。
「2対1とか、3対1で負ける試合ばかり。打てないから、ピッチャーが我慢しきれなくなる」
投手がどれだけ踏ん張っても、援護がなければ勝ち星はつかない。ベンチも、継投に神経をすり減らすばかりになってしまう。打線に破壊力があれば、試合展開はもっと楽になる。
「得点力があれば、継投ミスやエラーも取り返せる。でも今は、1点のリードを守り切るしかない。投手にかかる重圧が大きすぎるんだよ」
「石川がもっと頑張らなきゃダメだよ」
この現状を生み出した責任は、やはりスカウトや編成にあると武田氏は繰り返す。
「スカウトと編成のせいだよ。責任をもって、次のレギュラーをどう育てるか考えないと。ドラフトも思い切って、上位で柱となる野手を取るべきなんだよ。たとえば今季活躍しているドラ2の西武の渡部聖弥やドラ1のオリックスの麦谷祐介、明治の後輩だけど、楽天のドラ1の宗山塁のようなね」
1年目から一軍で出場できる打者。そういった人材を、今の竜は確保できていない。
「野手は線が細い、いわば同じようなタイプばっかり。だからこそ、ピントがずれてるって言いたくなるよ」
そんな武田氏が“注目している若手”として名を挙げたのは、地元・愛知出身・高卒6年目の石川昂弥だった。
「石川がもっと頑張らなきゃダメだよ。松中(信彦)コーチも言ってたけど、スイングが弱い。もっと体をつくって、押し込めるバッティングをしないと」
期待を背負いながら、故障もあって伸び悩む石川。だが、石川が主軸に育たない限り、チームの未来は開けないという。
「結局ね、プロって4年でレギュラー獲って、リーダー格にならなきゃダメなんだよ。出てくるやつは、どこでもレギュラーになれる。そうじゃないやつは、いつまで経っても一軍半なんだ」
強いチームには、常に“核”となっている若手がいる。1999年の優勝時も、福留や岩瀬が1年目から一軍に食い込み活躍した。そして彼らが、先輩に刺激を与え、チームを活性化させた。
「今はそれがない。若手がベンチで黙ってるだけじゃダメなんだよ。もっと自分を出して、競争しないと」
武田氏は最後に繰り返した。
「強くなるのは簡単だよ。30本打てる外国人を2人取る。問題はそれができてないってこと。99年だって、ゴメスと山崎で64本打ってる。今のチームには、それがいない」
来年にはホームランテラスの設置が予定されているが、そこにも武田氏は手厳しい。
「相手チームのほうがホームランが増えちゃうんじゃない? やっぱり大砲の確保が急務だよ」
by🐟

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