漂いつつあった不穏な雰囲気を橋本侑樹投手が断ち切った。「同点、勝ち越しになる流れは避けないと、と思ってマウンドに行った。無失点で帰ってこられてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
出番は7回。先発・マラーが1死から一、二塁とされると、楽天は9番・太田に代打・伊藤を送ってきた。ここで井上監督は橋本をマウンドに送った。「普段通りの心境で」と伊藤をフォークで左飛、1番・小郷は外に逃げるスライダーで空振り三振。ピンチの芽を摘み取った。
立場が変わってきている。シーズン序盤はビハインドでの登板がメインだったが、防御率0・50と安定した投球を続け、直近5試合で4ホールド。送り出した指揮官も「使う側の勇気。橋本は侑樹。字は違うけど、ユウキ。ハッシー(橋本)にもああいうところで投げてもらわないと。キャリアも少々ある。緊迫した場面で使っていきます」と期待を寄せた。
昨季から1軍に定着した橋本。2023年から大塚巡回投手・育成コーチと取り組んだ投球フォームが制球を向上させたが、副産物もあった。「リリースの位置が打者寄りになっていました」。プレートからリリースまでの距離を示す「エクステンション」の値が23年と24年では最大20センチも変化。打者に近い位置で放る直球で打者を差し込めるようになり、スライダーはより効果を発揮するようになった。
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